―“ロールケーキ”って知ってますか?

 

ロールケーキ Roll-cake

板状に焼いたスポンジ生地にジャムやクリームを塗り

フルーツなどを巻き込んだ、棒状のお菓子。

一般的には切り分けて食します。

生地の主な材料は、たまご・小麦粉・バター・砂糖です。

クリームはジャムやバタークリーム、ホイップクリームを使います。

 

名称は日本で生まれた造語です。

由来については諸説あるようですが、

1950年ころに製パン会社が板状に焼いた生地にバタークリームを塗って

クルクルまいたお菓子「スイスロール」を製造したのがロールケーキの始まりです。

 

2000年代には専門店ができるほどの大ブームがあり、

各店が様々なロールケーキを生み出していきました。

 

今では大手コンビニが取り扱うほどに身近な“おやつ”の定番になっています。

 

 

―スポンジ生地を食べる

 

大ブームがきっかけで各店がクリームの量やフレーバー、デコレーションなどに

工夫を凝らして特色のあるロールケーキを製造していきました。

 

現在、ロールケーキには大きく分けて2つのタイプがあります。

・スイスロールのように生地にクリームを塗って渦状に巻くタイプ

・コンビニで売っているようなたっぷりのクリームを生地で包み込むタイプ

 

主流は後者でしょうか。スポンジ生地は薄めでどちらかといえばクリームを味わうものです。

 

そんななか、私が作る「くるくるケーキ」はクリームをあえて少なめにして

生地を味わっていただくロールケーキです。

 

 

―何が違うのか

 

クリーム主体のロールケーキが多い理由として考えられることは

スポンジ生地はアレンジの幅が少ないため、アレンジし易いクリームや

デコレーションを工夫したためでしょう。

 

それでもあえて、生地の独自性を追求したのが、私の師である勝野氏です。

スポンジ生地の 触り心地 香り 口どけ 余韻 __

どれをとっても他にないものでした。

難しいことに挑むからこそ生まれた”価値”です。

 

 

―この製法を学びたい

 

勝野氏がオーナーを務める「シェかつ乃」

世田谷区代沢の住宅街にある小さな洋菓子店です。

しかし看板商品である「たまごロール」はその独自性から

本物を知る多くの著名人を魅了し、また地域住民にも愛される存在でした。

 

「製法を学び、いつかは地元に技術を持ち帰りたい」という想いから

 

懇願の末、本来なら門外不出であるオリジナル製法を4年間学び、独立を許されました。

 

そして

 

ここ山梨県 富士吉田市で、技術と環境が出会います。

 

 

―生まれたもの

 

広大な富士山には毎年たくさんの雪が降ります。

雪化粧をした富士山は青空に日光を浴びて、息をのむ美しさ。

ふもとでは、富士山に降り積もった雪が長い年月をかけて地中でろ過され

美味しい水になって湧き出します。

その水で育った忍野村のたまごは黄身が濃く、臭みのない澄んだ味わいです。

そんなたまごを贅沢に使用して、「シェかつ乃」の製法で焼き上げたスポンジ生地は

まさに他に類をみないものとなりました。

 

こうして当店のロールケーキ「くるくるケーキ」は生まれました。

 

 

ではあらためて、うかがいます

 

―“ロールケーキ”って知ってますか?